私は以前、ホテルの結婚式場で配膳のアルバイトをしていたことがありました。
今回は「配膳」というお仕事がどんなものか、体験してみてどうだったのか。
私なりに感じたメリット、デメリットをそれぞれまとめました。
配膳のお仕事をやってみたい!でも本当にできるか不安だな~と考えている方の参考になれば嬉しいです。
「配膳」ってそもそもどんなお仕事なの??
その名の通り、ゲストにお料理を提供したり、食べ終わったお皿を下げたりするお仕事だよー!
- 配膳という仕事について知りたい人
- これから配膳バイトをやる予定の人
配膳ってどんなお仕事?
「配膳」とは、宴会のゲストに対してお料理を配膳するお仕事です。
お料理を運ぶだけでなく、食べ終わったお皿を下げたり、飲み物が行き渡っているか、何か困ってるゲストはいないか…
宴会中のゲストに対するサポートを全般的に行う役割を担っています。
配膳のお仕事は、結婚式のみとは限りません。
中には、とある会社の懇親会、同窓会などもありました。
配膳スタッフは専門の派遣会社に登録していることが多く、ホテルなどの宴会場が主な派遣先となります。
結婚披露宴のほか、配膳スタッフが必要となる会合があればお仕事が割り当てられる可能性があります。
結婚式配膳バイト やってよかった!メリット5選
1.テーブルセッティング・テーブルマナーについて学べる
配膳のお仕事をすると、テーブルセッティングやテーブルマナーについて学べます。
結婚披露宴では、ゲストをおもてなしするために豪華な食事が用意されますよね。
フレンチ、イタリアン、和食が主流。たまに中華のときもあったりします。
会場にゲストをお招きする前に、料理の順番に合わせてテーブルセッティングをするのも配膳スタッフの仕事のひとつ。
それぞれに正式なテーブルマナーがあり、お皿やカトラリー(銀食器)、グラスなどの配置も決まっていることが多く、何をどこに置けばいいの?と、最初は混乱ばかりでした。
一つパターンを覚えても、お酒の種類やコースの内容によって、使用するグラスやお皿も違うんですよね。
ベテランの先輩方に教えてもらえるのでイチからセッティングをすることはないのですが、基本を知っておいた方が披露宴中の対応もしやすいです。
例えば、ゲストが次に出すお料理のスプーンを先に使ってしまったら?
そんなときも、ゲストがスタッフに声をかける前に、さりげなくテーブルに補充することができますね!
2.体力がつく
配膳スタッフは、もちろん立ちっぱなし。むしろ動きっぱなしです!
披露宴が始まる前に、あなたはこのテーブルを担当してください、という指示があります。
披露宴中はお料理を運びながら、絶えずゲストのテーブルをチェック。
ゲストのグラスは空いていないか?
お料理は全員に行き渡っているか?
何か困っている、スタッフを探しているゲストはいないか?
絶えず確認しては、披露宴会場と厨房を行き来しています。
ゲストの皆さんがゆっくりお料理を味わっている間も、スタッフはその裏でやることがいっぱいなのです。
ゲストの皆さんが快適に楽しく過ごせるようサポートするのが仕事なので、頭の中のパニックを隠して平静を装い、優雅に動いています!笑
最も体力が必要なのは、披露宴後の「どんでん」です。
どんでんって何?どんなことをするの?
主にやることとその流れは以下の通りです。
- ゲストの忘れ物の有無をチェック
- 各テーブルの食器類、お花、装飾、クロス類の片付け
- 床の掃除機がけ、ドリンクやお料理のシミ等をチェック
- テーブル・チェアを会場に設置
- クロス類をセット
- お料理のコースに合わせ、食器類をセッティング
- テーブル番号、席札などをセッティング
- 引き出物の有無、ゲストごとの注意事項を確認
「どんでん」は本当に体力勝負です!
気を張っていた披露宴が終わり、ほっとする間もなくこの「どんでん」が始まり・・・体力のない私は、ヘロヘロになりながらなんとか乗り切っていました。
配膳は常に足に負担のかかるお仕事なので、動きやすい靴を用意しておくと安心です。
アシックスが今まで培ってきたスニーカーの技術をもとに開発したこちらのパンプス。
立ちっぱなし、動きっぱなしのお仕事の方におすすめです。
抜群の立ちやすさ・動きやすさ。正直、ここまで足の負担を軽減してくれるパンプスは初めてでした!
すごく余談かなと思いつつ、このハードなお仕事を乗り切るために重宝したもう一つのアイテムをご紹介しますね。
忙しく立ち働いている中、気になるのが汗の問題…
前髪も乱れないようキリッとまとめているので、額の汗はどうしても目立ちがちになってしまうのですよね。
こちらのパウダーは汗とメイク崩れをうまくカバーしてくれるので、お仕事中とても助かりました!
3.幸せな空間を味わうことができる
これはもう、想像していただければわかると思います。ここまで幸せに満ちた空間は、他にないのでは?笑
幸せいっぱいの新郎新婦、親族の皆様、ゲストの皆様・・・
そんな空間にいて、こちらまであたたかい気持ちになるのは当然ですよね。
ただし残念なことに、感動の瞬間に立ち会うことはほぼできません!
披露宴の内容にもよりますが、プロフィールムービーの上映や新郎の挨拶、新婦の手紙などの時間、配膳スタッフは裏に控えています。
扉の向こうで乾杯の準備をしたり、前菜のお皿を配膳テーブルの近くまで持ってきたり。
皆様の邪魔にならないよう、大切なタイミングには配膳スタッフは裏で静かに次の準備をしています。
それでも、たまに漏れ聞こえてくる司会の方のお話やスピーチにはこっそり感動していました。
会場から笑い声が聞こえてくると、良い時間になっているんだな~と嬉しくなります。
いろいろな人がいて、いろいろな出会いがあって、その大切な一瞬が今日なんだな。
そんなふうに、なんだか穏やかな喜びを感じさせてもらいました。
4.働く日時に自由が利きやすい
これは、登録する会社によるかもしれません。
私が登録した派遣会社では、勤務可能日は基本的に自己申告でした。
お仕事を入れてほしい日の一週間くらい前までに、〇月〇日 △時~△時可能、などメールで連絡するスタイル。
結婚披露宴は土日祝日に開かれることが多いため、週末限定のアルバイトと思った方がいいです。
平日に学校や仕事などがある人にとっては、休日にできるアルバイトとして適しています。
逆に、平日にもどんどんシフトを入れたい!という人は、結婚披露宴に限らず色々なところに派遣してもらえる会社を探すといいでしょう。
私が登録したところも、結婚披露宴に限らずホテルの朝食レストラン・カフェなどにもスタッフを派遣していました。
私は週末にしか働くことができなかったため、結婚披露宴の配膳スタッフとして登録する形が合っていたと思います。
結婚披露宴の場合、
披露宴2~3時間⇒どんでん⇒披露宴2~3時間 とだいたいのブロックになっています。
配膳スタッフはギリギリの人数しかいないため、披露宴中に一人でも抜けると大変です。
そのため、例えば「△時から2時間だけ」など短い時間での希望を出しても、派遣できる宴会はないと言われてしまいます。
結婚披露宴にこだわる場合は、勤務可能時間に幅をもたせるといいでしょう。
5.自分が挙式する際の参考になる
このお仕事を始めるあなたがこれからご自身の結婚披露宴を開く予定があるなら、それはとてもラッキーなことです!
スタッフとして忙しく立ち働きながら、たくさんの素敵な披露宴のアイデアを得ることができます。
披露宴中の配膳スタッフはとにかく慌ただしい。それはこれまで述べてきた通りです。
それでも、セッティングの合間、装花やテーブルクロスの素敵な配色を見たり、会場内に流れるBGMを耳にしたり、
「これ素敵!!」と感じることは数多くあります。
私は自分の結婚披露宴を終えてからこのお仕事をしたため、「この演出いいな。これも素敵~!」と思っては、なんとなく悔しい気持ちを抱くこともありました。笑
舞踏会でも始まりそうなレトロな雰囲気の会場に、穏やかに流れるチェロの生演奏。
そんな演出のあった披露宴では、ついうっとりと眺めてしまいました。
スタッフ側の動きを知ることができるだけでも、大きな参考になりますね。
配膳の仕事中はとても慌ただしく、緊張感に満ちています。もちろんお仕事をおろそかにするわけにはいきません。
たまに感じ取れる情報だけでも覚えて帰り、自分だったらどうしたいかな?とぜひ参考にしてみてくださいね。
結婚式配膳バイト これがつらかった…デメリット5選
1.あらかじめ情報収集と練習が必要
結婚披露宴の配膳スタッフとして働きたいな、と思ったら、まずはそういった会場へ派遣している会社へ登録をします。
その後、簡単な配膳のルール、やり方などの研修を受けます。・・・が!!
最近は現場で慣れてもらうやり方に変わっていて、研修は特にやっていないんですよ~(派遣会社のスタッフさん)
え~~~!そんな…
研修があると思って安心していたのに泣
研修がない代わりに、簡単なマニュアルと動作の基本を学べる動画を案内されました。
これまで飲食業界で働いたことが全くなく、途方に暮れる私。
とりあえず、マニュアルと動画を何度も見て覚えます。
これだけでいいのかな?と不安になり、インターネットでさらに情報を探してはメモしたりしていました。
マニュアルで簡単な動作を確認したら、自宅にあった手頃なサイズのお盆やお皿、ワインボトルに見立てたオリーブオイルの瓶などを引っ張り出して実際にやってみます。
これがなかなか難しく…重たいワインボトルを難なく傾けることができるよう、練習を重ねました。
何か失敗をして、私のせいで大切な結婚披露宴を台無しにするわけにはいきませんからね…!
お皿を片手に3枚持つ練習もしましたが、これはとてもできる気がしませんでした。笑
どこまでやれば安心できるのか分からないまま、時間を見つけては反復練習。
私は全くの未経験でしたが、飲食店で働いたことのある方ならここまでは必要ないのかもしれませんね。
2.体力を消耗する
こちらは、「よかったこと」の裏返し。
体力がつく点がメリットといえる反面、それだけ疲れるのがデメリットともいえます。
結婚披露宴+どんでんを1セットとすると、立ちっぱなしの動きっぱなしで5時間程度でしょうか。
しかも、重いものを持ち上げる・動かすこともたくさんあります。
1セット乗り切るだけで、その日の夜は本当に泥のようにぐっすり眠れました。
先輩の中には一日2セットをこなす人もたくさんいるため、尊敬の念でいっぱいです。
私の場合は、初心者ゆえの緊張と、初心者ゆえの無駄な動きのせいでより疲れていたと思います。
目が覚めて筋肉痛を感じると、「昨日はよく動いたんだな~」となんだか嬉しくも感じていました。
3.ベテランの先輩から叱られる
慣れない新人スタッフである私は、ベテランの先輩からよくお叱りを受けました。
配膳スタッフとして働くことが決まった後、ネットで色々な体験談などを読んでいました。
そうすると、出てくる出てくる…怖いコメントの数々。
「先輩が冷たく、何も教えてくれない」「先輩に怒鳴られ、怖くて一日で辞めた」「挨拶をしても無視される」…
こういうの、体育会系?というのでしょうか。
もはやパワハラ…?
こんな情報を事前に仕入れていたため、内心ビクビクです。
で、もちろん先輩方によく叱られました。笑
そんな言い方しなくても…泣 と思うこともたくさんありましたが、まぁ、冷静になれば先輩方のイライラや焦りもよくわかります。
私のように現場慣れしていない新人が毎度やってきて、新しいことを教えてもその人はまた違う現場へと派遣されていく。
披露宴の形はすべて違うし、どれも失敗するわけにはいかない。新人にばかり気を配っていられない…
緊張感の中であらゆるところに気を配るベテランの先輩方にとっては、新人の存在はただの足手まといであることも多いはずです。
先輩方から何か指摘があっても、新人スタッフであるあなたは「次は気をつけよう」「しっかり覚えておこう」という姿勢だけあれば大丈夫です。
引きずるほど落ち込んだり、委縮してしまったりする必要はありません。(難しいですけどね…!泣)
勉強になった!と切り替えて、堂々と次の機会へ活かしましょう。
4.派遣先によってルールが異なる
派遣会社に登録したら、自分の通いやすいエリアにある披露宴会場へ派遣されることになります。
今日は○○ホテルだけど、明日は△△ホテルへ、ということもあるのです。
そのため場所はもちろん、様々な点でその会場のルールに合わせる必要があります。
- スタッフ用出入り口の入退出の方法
- 勤務時間の申告方法
- ユニフォームやネームプレートの借り方、返し方
- サービスのやりかた
- どんでんのやりかた
前半の項目は、最初にしっかり教えてもらえるので大丈夫。そのときに控えたメモをもとに、慣れていくしかありません。
後半の、そもそもサービスやどんでんのやりかたが異なるという点にはなかなか困りました。
会場も違えば披露宴の内容も違いますし、当たり前といえば当たり前。
なのですが…いくつかの会場をまわっていると、やっぱり混乱してしまうんですよね。
慌ただしい披露宴のさなか、教えてもらったことをメモしてばかりもいられません。
あれ?この会場ではパンはいつ配るんだっけ?
前回はこういう流れだったはずだけど、今回は違うのかな?などなど。
自信のないところはこっそりと先輩に尋ねながら、その場を乗り切るので精一杯でした。
いくつか経験していくうちに、自分に合う会場がなんとなくわかってきます。
早く一人前になるためにも、もし可能ならひとつの会場に集中して勤務する方がよいでしょう。
5.失敗できない!プレッシャーとの闘い
こちらももう、言うまでもありませんね。披露宴本番はとんでもないプレッシャーとの闘いです。
結婚式とは人が一生のうち一度(くらい)しか行わない晴れの日で、結婚披露宴は新郎新婦がまわりの人々に最大のおもてなしをする、とても大切な時間です。
サポートするはずのスタッフが台無しにする…なんてことは絶対に避けなくてはなりません。
あらかじめネットで読んでいた体験談の中には、
「ゲストの着物にワインをこぼしてしまった」
「配線に足をひっかけて、会場に流れる音楽を切ってしまった」
「スポットライトの中に入り、新郎新婦より目立ってしまった」
などなど、想像するだけで震えるような失敗であふれていました…!
どれもこれも自分と重なって、とても笑えるエピソードとは思えませんでした。
このような失敗に比べたら、先輩に理不尽な叱られ方をすることなんて大したことではありません。
「最初は役立たずでいい。とにかく粗相をせずに無事に終える!」
これをモットーに、毎回とんでもない緊張感と闘いながらやっていました。
どのような仕事でも緊張感はあるものですし、必ずしもデメリットといえるのか微妙なところです。
ただ、誰かの大切な思い出を汚してしまう可能性がある、という点でかなり特殊な部類に入ると感じています。
おわりに:配膳のお仕事はハードであるぶん、大きなやりがいを得られる
結婚披露宴の配膳スタッフとして働いた経験から、メリット・デメリットをまとめました。
とても長くなってしまいましたね。笑
記述した通り大変なことはたくさんありましたが、どの披露宴もとても強く記憶に残っています。
いきなり飛び込むにはなかなかハードな世界だったなと振り返りつつ、
幸せな時間のお手伝いをさせてもらえたことはやはり嬉しく感じています。
もう少し一人前に近づいていれば、また違ったやりがいが見えてきたかもしれませんね。
これから配膳スタッフとして働き始めるあなたにとって、少しでも有益な情報となりますように!
未経験から挑戦してみた私の体験ルポ、読んでいただきありがとうございました。
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